芦 寿一郎 ASHI Juichiro

大学院新領域創成科学研究科 自然環境学専攻 准教授

連携提案

 沈み込み帯における流体は、変形・温度構造・物質循環に大きな影響を与える。付加プリズムの成長と流体の挙動の関係を明らかにするため、南海トラフにおいてメタンハイドレート、冷湧水、泥火山といった流体・ガスの移動を示す浅部~表層での現行地質現象の研究を行なっている。また、南海トラフ沿いの巨大地震に関係した活断層の分布の解明と活動履歴の推定を試みている。

主に以下のような研究テーマに取り組んでおり、研究成果や探査技術等の応用に関心のある企業・団体等との連携が可能である。

研究テーマ

1) メタンハイドレートBSRおよび冷湧水の分布からみた付加プリズムの流体ガス循環の研究

2)海底ガンマ線モニタリングによる冷湧水の短期変動と湧水履歴の解明

3) 深海底活断層の分布の把握と活動度の推定手法の確立

4) 泥ダイアピルの物質循環と活動履歴の研究

5) メタンハイドレートBSRを用いた付加プリズムの温度構造の推定

キーワード  

海底活断層, 古地震, 地すべり

希望する連携

共同研究 / 学術指導 / 講演・アドバイザー

プロポーザル

深海底サンプル採取システムの応用(AJU24051)

SDGs:17の持続可能な開発目標 

研究内容

この研究室で開発した深海底サンプル採取システムは、船上からの操作により移動しながらカメラで海底を観察し、目的の地点で試料の採取を行うことができる装置である。船上から吊り下げられるパイロットビークルは4つのスラスターによる航走が可能であり、水深4000mまでの海底においてピンポイントで目的とする試料の採取ができる特長を有する。システムは可搬式であり充分な甲板スペースのある船舶に搭載可能で、数トンまでの観測・採取機器が使用できる。

揚収中のパイロットビークル

パイロットビークルは、採水器(右)、海底観察カメラ(左)を装備し、下部に大型の観測機器・試料採取装置を搭載・切り離し可能である。

© 芦寿一郎

想定される応用

このシステムを用いることにより、深海底における鉱物資源(海底油田、メタンハイドレート等)や生物資源(創薬のための未知のバクテリア等)の探査に必要なピンポイントでの試料採取が可能である。すでに、海底断層等の研究に必要な試料の採取や観測機器の設置を行うなど多くの研究実績を得ている。


連携への希望

このシステムを応用した各種海底サンプルの採取に関心を有する企業等との共同研究を希望している。