佐藤 徹  SATO Toru

大学院新領域創成科学研究科 海洋技術環境学専攻 教授

連携提案

本研究室では人工物と自然環境の共存を使命とした調和システムのコンセプト作りを目標に研究を行っている。そのために環境現象の物理・化学・生態学的モデリングおよびそれらの統合化による環境影響予測システムや、環境リスクマネジメントの手法による社会的合意形成システムの構築を行い、真の環境調和システムの在り方を具体例をもって考えている。

研究対象はCO2 海洋・海域地中貯留の環境影響評価、メタンハイドレート堆積層中流動現象の研究、ガスハイドレートの生成・分解モデリング、ハイドレートを用いたCO2 海域地中貯留、バイオ燃料生産のためのフォトバイオリアクターの開発、マルチスケール海洋モデルの開発、海洋乱流や成層回転流体の実験的数値的研究、光合成のフラッシングライト効果や海洋生物への CO2 影響モデルの開発等がある。

これらの研究に関心のある企業との連携が可能である

キーワード  

微細藻類培養用フォトバイオリアクター, メタンハイドレート, ガスハイドレート, CO2地中貯留技術, CO2海洋隔離技術

希望する連携

共同研究 / 学術指導

プロポーザル

海洋漂流プラごみの濃集海域の推定と洋上回収(STR24051)

SDGs:17の持続可能な開発目標 

研究内容

海洋プラスチックごみの大部分は大河川から大雨の時期に集中的に海に流れ出す。東シナ海の大河川から放出されたプラごみは、その後海流によって対馬海峡の狭い領域に空間的、時間的に集約されると考えられるため、集積帯の位置と時間がわかれば効率よくごみを洋上で回収できるはずである。そこで、し、対馬海峡におけるゴミの集積帯を空間的、時間的に特定する。東シナ海周辺国の各河川から放出した粒子のうちどれくらいが対馬や日本海沿岸のビーチに漂着したかを求め、実際のビーチでの調査結果のデータと連立方程式をたて、これを解くことで各河川から出たゴミの量を推定する。この結果から対馬海峡にて漂流プラごみを効率よく洋上回収できれば、日本海沿岸域での漂着プラごみの量を減らすことができ、ビーチの清掃にかかる費用を大きく削減できることになる。

漂流プラごみ濃集帯。この結果から対馬海峡にて漂流プラごみを効率よく洋上回収できれば、日本海沿岸域での漂着プラごみの量を減らすことができる。© 佐藤 徹

海洋モデルHYCOMを用いた日本海の海流の様子。海洋モデルと粒子追跡法を用いて東シナ海から日本海を対象とした漂流海洋ごみの挙動を予測する。© 佐藤 徹