江尻 晶 EJIRI Akira
大学院新領域創成科学研究科 複雑理工学専攻 教授
連携提案
この研究室では、将来のエネルギー源として期待される核融合の実現を目指した高温プラズマの研究を行っている。
球状トカマクでは、小型でも高いプラズマの性能(温度、密度など)を得られるという可能性がある。本研究室では、早くからこの可能性に着目し 1993年より、TST装置を設計製作し、1995年より実験を開始した。またプラズマの性能をさらに上げるために1998年末より新しい装置(TST- 2)を設計し、1999年9月より実験を開始した。主な研究テーマは、(1)乱流、(2)高周波による加熱・電流駆動、(3)熱粒子輸送の制御、(4)MHD安定性、(5)計測手法の開発である。
関連の技術開発に関心を持つ企業との連携が可能である。
キーワード
球状トカマクプラズマ,平衡,プラズマ診断,波動物理
希望する連携
共同研究 / 学術指導
プロポーザル
マイクロ波透過計によるプロセスプラズマの密度測定(EJA24051)
研究内容
プラズマの密度を測定する手段として静電プローブとマイクロ波干渉計がある。前者は簡便であるが測定プラズマを乱してしまうという欠点がある。後者は信頼性は高いが測定システムが複雑で空間的情報が得られないという欠点がある。マイクロ波透過計により簡単なシステムで局所的な密度情報を得られる可能性があるが、まだ、実際のプラズマで試験されていない。この手法はマイクロ波の透過率を周波数の関数として測定するもので、周波数可変の発振器と検出器から構成される。図は、プロセスプラズマへの適用の概念をしめしたものであり、プラズマへ入射されたマイクロ波は、基板で反射し、再びプラズマを透過して検出される。数値的、解析的な検討の結果、この手法は厚みが比較的薄く、長さ方向に一様なシート状のプラズマに対して有効であり、プロセスプラズマへの適用が期待される。
図1 マイクロ波透過計の概念図
連携への希望
共同研究では実際のプロセスプラズマにマイクロ波透過計を適用し、この手法の有効性を実証することを目的とする。