岡本 光司 OKAMOTO Koji

大学院新領域創成科学研究科 先端エネルギー工学専攻 准教授

連携提案

航空宇宙工学分野における推進システム及び熱流体関連技術について幅広く研究を行っている。この分野において革新的なアイデアを導入することによって,新たな可能性を切り開くことを目指しており、現在進めている以下のようなテーマに加え、宇宙での熱制御及び熱エネルギーの利用に力を入れていきたいと考えている。

<研究テーマ>

1)流体騒音に関する研究(OKJ24051)

2)熱交換器搭載型ターボファンエンジンに関する研究(OKJ24052)

3)超小型ガスタービン(ジェットエンジン)および関連流体デバイスに関する研究(OKJ24053)

これらの研究成果の実用化・製品化に関心のある企業との共同研究を希望する。

キーワード  

熱流体・エネルギーシステム工学

希望する連携

共同研究 / 寄付 / 学術指導

プロポーザル

1.流体騒音現象の可視化と条件付抽出法の適用(OKJ24051)

SDGs:17の持続可能な開発目標 

研究内容

本研究室では、特にジェットから発生する広帯域騒音を対象に研究を行っている。この現象は、ジェットが生み出す渦の挙動が深く関わっていることから、騒音発生と流れ場構造の関係は複雑であり、その発生メカニズムの理解は容易ではない。

そこで当研究室では、斜め平板に衝突する超音速ジェットを対象として、高速度ビデオカメラとシュリーレン法と呼ばれる流体可視化手法を用いてジェットと音響場を同時に可視化し、さらにマイクロフォン計測を連動させることによって、撮影した動画に対して音響解析を施す手法を構築した。具体的には、マイクロフォンから得られる音響信号をトリガ信号として動画を再構成することによって、着目している音響現象と相関の強い現象を抽出するという手法(条件付抽出)を用いている。これによって、複雑な現象が現れている動画から必要な情報を抽出することができる(図1)。このように、音響波と相関の強い現象を明らかにできるようになれば、より効果的な騒音低減が可能になると期待している

図1 衝突ジェットまわりの音響現象の可視化と抽出例

© 岡本研究室

想定される応用

この計測・解析手法は、超音速衝突ジェットだけでなく、様々な流体騒音現象への適用が期待できる。


連携への希望

本研究に関心のある企業・団体等との連携を希望している。


関係する研究者

寺本 進 教授 大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻

赤嶺 政仁 助教 大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻

2.小型テスラターボ機械の開発(OKJ24052

SDGs:17の持続可能な開発目標 

研究内容

本研究室では、小型流体機械(ポンプ、タービン)として、テスラターボ機械の研究開発に取り組んでいる。テスラターボ機械は、従来の翼列機械では損失源でしかない流体粘性を利用して作動する機械である。

テスラターボ機械は、多数のドーナツ円盤を微小な間隔をあけて固定したロータと、その前後の流路で構成されている(図1)。このロータに対して外側から接線方向に流体を吹き込むと、螺旋を描きながら中心に向かって流れ、その隙間を通る際に生じる流体の粘性力によってロータが回転し、タービンとして作動する。また逆に、このディスクをモーターなどで回転させると、ディスク間の流体が粘性によって引きずられ回転し、それによって生じた遠心力によって内側から外側へと流れ、ポンプとして作動する。テスラターボ機械は、最適設計時のロータ効率がサイズによらず一定であることが理論的に示されていることから、小型ポンプ/タービンとして利用が期待されている。このような小型ポンプやタービンは、熱機関だけでなく、燃料電池の送気ポンプや小規模発電システムなど、様々な利用が考えられる

図1 テスラターボ機械

© 岡本研究室

連携への希望

このテスラターボ機械について、CFD解析や試作機を用いた実験等を進めており、本研究に関心のある企業・団体等との共同研究を希望している

3.マイクロガスタービンの性能向上を目指した小型ウェーブロータの開発(OKJ24053

SDGs:17の持続可能な開発目標 

研究内容

本研究室では、マイクロガスタービンの熱効率改善を目的として、ウェーブロータの研究開発に取り組んでいる。

ウェーブロータは、多数のチューブ(セル)を有したロータと、その両端に配置された給排気ダクトで構成されている(図1)。図中左側のダクトには高圧燃焼ガスと低圧空気が供給され、その圧力差によって衝撃波が発生し、チューブ内を往復伝播する。すると、衝撃波がピストンのような役割を果たし、低圧空気が圧縮され、右側のダクトに排出される。これを既存のガスタービンに追加することによって(図2)燃費を大幅に改善することができ、特にマイクロガスタービンの場合には、その改善効果が大きくなると期待されている。

このウェーブロータについて、特に出力10kW以下のマイクロガスタービンを念頭に置いたCFD解析や試作機の開発等を進めている

図1 ウェーブロータ

© 岡本光司

図2 ウェーブロータ搭載型ガスタービン

© 岡本光司

連携への希望

本研究に関心のある企業・団体等との共同研究を希望している