田辺 博士 TANABE Hiroshi
大学院新領域創成科学研究科 先端エネルギー工学専攻 准教授
大学院新領域創成科学研究科 先端エネルギー工学専攻 准教授
連携提案
当研究室は、フュージョンエネルギー学際研究センターにおける【革新的閉じ込め部門】として、球状トカマク方式などの【コンパクト炉心シナリオの開発】や、同炉心プラズマ断層上の各種パラメータの二次元画像計測などの【先進プラズマ診断】、太陽フレアなどの宇宙プラズマの高エネルギー現象の基盤物理である磁気リコネクションを地上で再現して体系的に研究する【実験室天文学】、あるいはそれを能動的に応用した【プラズマ合体加熱実験】などを推進しています。
この中でも磁気リコネクションによる急速加熱を地上で実現可能なプラズマ合体法は、当研究組織で創始された東京大学発の技術であり、近年フュージョンエネルギー分野でも多くのスタートアップ企業で積極採用され、限られた資本金のスタート直後から爆発的に企業を成長させる起爆剤として貢献しています。これまでの実績は超高温プラズマの急速立ち上げ用途が中心でしたが、磁気リコネクションの加熱原理は、磁気エネルギーをプラズマの運動エネルギーに変換し、それを熱化させることが背景になっていることから、用途はフュージョン分野に限らず、高比推力のプラズマ推進その他、多くのスピンオフ応用の可能性を秘めています。同技術は既に公知化されていますので、こちらで想定していない分野も含めて、新たな応用先の提案があれば、積極的に連携させていただきます。
プラズマ実験では、動画の中でも紹介しておりますが、真空装置・制御コイル群・高電圧大電流電源設備・制御系・計測系等の様々な需要があります。フュージョンエネルギー産業分野は近年急速に市場規模が拡大していることもあり、新規参入を計画されている企業さんも多いと思いますが、様々な極限仕様の製品が活躍する場が多数あります。量産型の市販品がそのまま使えず、特注機器の調達が多いことが参入障壁を高くしているところはあるかもしれませんが、大型研究所と比較すると機動性のある大学実験は、機器の更新も柔軟な体制で動くことができますので、もし導入できそうな魅力的な機器がありましたらお気軽にご提案いただけますと幸いです。また逆に、当研究室側でも、先進プラズマ診断機器等の自主開発を通じて、他の機関の実験に応用可能な機器開発ノウハウが蓄積されており、共同研究先に計測器現地立ち上げを伴う実務連携を進めてきた実績もありますので、こちらも適宜ご提案いただければ積極的に連携させていただきます。
YouTube : https://youtu.be/jlbCRgLBha8 new!
先端エネルギー工学専攻 准教授 田辺 博士
キーワード
プラズマ急速加熱、磁気リコネクション、プラズマ推進、球状トカマク、先進プラズマ診断、画像計測
希望する連携
共同研究/寄附・寄付講座/学術指導/研究会/講演・アドバイザー
研究内容
磁気リコネクションは、たとえば100万℃などの高温プラズマを、1/50000秒などの時間スケールで急速立ち上げ可能な爆発的エネルギー解放現象です。自然界でも太陽フレアや磁気圏などの宇宙プラズマで観測される現象ですが、これを地上で能動駆動する手法が確立されています。東京大学で創始された手法であり、学内での100万℃加熱実験の他、より強力な電源設備を有するトカマクエナジー社では1000万℃以上の出力での応用も展開されており、背景現象の加熱スケーリングも既に確立されつつあります。フュージョンエネルギー分野では高温プラズマ生成法として活用していますが、高熱圧力プラズマの急速起動の観点では、他の分野にも応用可能であり、ヘリシティスペース社などが提案するようなプラズマ推進などにも、今後応用が拡大することが期待されています。
想定される応用
フュージョン炉、電気推進(深宇宙探査)、プラズマ廃棄物処理、加速器、その他
研究内容
当研究室では、プラズマ中の様々なパラメータの二次元画像計測の開発を進めています。フュージョンエネルギー分野の実験では、一部の計測器を除き汎用計測器で対応できるものは少なく、基本的に市販品は部品調達が中心となり、実験装置にあわせて個々にプラズマ診断装置を開発しています。
プラズマ計測では、大型実験ではプラズマ中の空間分布は一次元の分布のみを計測して、二次元的な空間分布は対称と仮定してしまう機関も多いですが、当研究室では特にプラズマ合体・磁気リコネクションを介して空間分布が時々刻々と二次元的に変化する複雑なプラズマが測定対象となるため、イオン温度・流速・電子温度・密度・磁場・電流・電場・高速電子等、様々なパラメータの分布の断層構造の二次元計測を開発しています。プローブ(探針)方式のほか、レーザ計測、プラズマ放射光の受動計測とコンピュータトモグラフィの融合その他、様々な計測の実機開発ノウハウが研究室には蓄積しており、軟X線トモグラフィ計測や二次元トムソン散乱計測は近年米国連携が拡大し、イオンドップラートモグラフィ計測は英国MAST・ST40や国内RT-1実験など現地実機立ち上げも含めた連携が拡大しています。
これらの計測分野では、画像検出器をはじめとした光検出器や様々なセンサー等の調達需要が大きく、特に高速度カメラについてはマイクロ秒時間スケールでメガピクセル測定できるハイエンド機器を希求しております。量産予定はないが特注であれば対応可能な機器など、連名での予算申請も含めて積極的に連携の機会を探ることができればと存じますので、こちらももし可能性がありましたらお声がけいただけますと幸いです。
想定される応用
プラズマ計測